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マタ旅はどうして危ないの?

妊婦さんの旅行は「マタ旅」と呼ばれ、雑誌や旅行サイトでも取り上げられています。

しかし、この「マタ旅」の危険性も専門家から多く指摘されているところ。
マタ旅にはどんなリスクがあるのでしょうか。
妊婦

ライブ以外の旅行も妊娠中はダメ?

別項でライブ遠征に関する妊娠中のリスクはお話ししました。


では、ライブ抜きの一般的な観光や帰省のための旅行、暴れないインストアイベントやファンクラブ旅行の参加だけならいいのでしょうか?

芸能人もよく妊娠中の旅行話をブログで言っていたりインスタにあげてたりするし、いいんじゃないの?と思いがち。
普通の旅行ならライブのように暴れることもないし…

出産したあとだと育児で忙しいだろうから産む前に行きたいな、、産む前の方が楽そうじゃない?とつい考えてしまいます。
雑誌や旅行会社でも「マタ旅」を楽しそうに紹介しているところがあったりします。

しかし、普通の旅行でもやはり「マタ旅」はリスクが高いものなのです。

妊娠中に「絶対安心」な時期はない!?

いつもと違うことが体にたくさん起こるのが妊娠。

つわりのきつさも個人差が大きく妊娠してみないとわかりません。
定期検診で順調でも突発的に調子が悪くなったりしてしまうことはよくあるのです。

「安定期」とも言いますが、あくまで流産の確率が多少下がる時期というだけ。
急に状態が変わることはよくあるのです。

妊娠中はずっと大事を取らなければいけないことには変わりありません。

妊娠中は血栓もできやすくなるので、同じ姿勢をとる長時間の移動で重症化するリスクもあります。

各航空会社でも、出産前1ヶ月を切った妊婦の搭乗はお断りしているところ、厳しい条件つきのところが多いです。
フェリー会社でも出産直前の時期は乗船お断りになっています。


長距離の移動そのものが妊婦さんにとってはリスクが高いのです。

産婦人科不足のリスク

もう一つのリスクは「今の日本は産婦人科が足りない」ということです。

昨今産婦人科医不足が叫ばれていますが、なかなか解消する見通しは立ちません。

どこの産婦人科も、妊娠したら速攻予約しないと取れないほどの激戦。
急に旅先で具合が悪くなった妊婦さんを抱える余裕は設備、人員ともないのが実情です。


まして離島や山奥では産婦人科病院がなく、あっても重症時に対応できる設備がない小さなクリニックだけということは珍しくありません。

リゾート地は結構病院から遠いところが多く、観光やファンクラブ旅行では近くに病院がない場所が実は多いのです。

ですから、産婦人科医のブロガーさんやTVに出られるコメンテーターのお医者さん、ツイッターの有名医師アカウントの方々は「マタ旅」に対してかなり厳しい意見を述べられるかたが特に多いです。

「ドクターヘリで大きな病院まで運んでもらえばいいんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、ドクターヘリもそれほど数があるわけではありません。

一つの県に2,3機しかないのもザラです。
地元で対処できず、隣県まで搬送される例も少なくないです。

急患が立て込んでいて全機出払っている場合もありますし、ドクターヘリは天候が悪いときや夜間は飛べません


離島の場合、海が荒れているとヘリもつかず船も出せません。

妊娠中のトラブルの時は、「前日まで元気だったのに短時間のうちに容体が悪くなってしまう」ことがあります。


一刻も早く手当てしないといけないのに遠くまで搬送しなければならないとなると、病院に着くまでに持たないこともあります。

出先でお腹が痛くなって救急を呼んでも間に合わず、最悪の事態になって後悔しないためにもやはり「妊娠中は遠出は控える」という方が望ましいです。


海外旅行はもっと危ない!

国内旅行でもリスクの高い「マタ旅」ですが、海外だともっと危険です。

海外旅行保険をかけていても、妊娠や出産をカバー仕切れていないプランが多いです。
もし保険でカバーできていなければ、最悪向こうで出産して数千万円飛ぶこともあります。


現地の医療水準のレベルが低かったりする場合もありますし、状態が悪くNICUに入ったりすると目の玉の飛び出るような金額になってしまいます。

超有名芸能人なら払えるお金かもしれませんが、一般庶民の年収をはるかに超える額なんか払えませんよね。


長時間の飛行機移動では血栓ができやすくなる可能性もあります。

妊娠したら海外旅行はやめる」を原則にしましょう。

旅行は出産後にしよう

こうしたリスクを考えると、旅行はどんな旅行でも、行き先や目的を問わず「妊娠中より出産後」にされる方が断然良いと言えます。

妊娠中に何かあって後悔するよりも、無事産んだ後にスッキリした気分で旅に出た方がいいです。

最近はライブ会場をはじめとしたレジャーにも使える一時託児所や、親子で行けるイベントやファミリーに優しい宿も増えてきています。


妊娠中は体を第一に考え、その間にライブ遠征や観光などの旅行の時どうするか、パートナーとよく話し合っておきましょう。
出産までは時間がありますから、その間に赤ちゃん連れでも行きやすい場所を調べておくと安心です。

双方の実家筋や親戚から「年末年始や冠婚葬祭に来い」とうるさく言われても、妊娠中はお断りした方が良いです。

こちらにきてもらう方がいいですし、説得に応じずなおもうるさく長距離移動を強要するような相手でしたら常識がありませんので、今後のお付き合いを見直した方がいいです。

特に無理して行く義理もない遠い縁や、急ぎでもない用事ならなおさらです。

どんな用事があっても、無事出産ができなくなるリスクや後悔を上回るものはありません。

妊娠中は体調を最優先しましょう。


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